歯のはなし

2023.08.22

歯周病は認知症のリスクを高める!?

 

歯周病と認知症は、一見関係ないように思う方も多いのではないでしょうか。しかし、歯周病を放置すると認知症のリスクを高める可能性があります。今回は、歯周病と認知症の関係性をご紹介します。

歯周病とは?

歯周病(Periodontal Disease)は、歯とその周囲の組織(歯肉、歯槽骨、歯根膜など)が炎症や感染を起こし、進行する疾患の総称です。歯周病は主に、歯垢(プラーク)と歯石と呼ばれる細菌や食べかすが歯と歯肉の境界に蓄積することで始まります。歯垢や歯石が放置されると、炎症が進行し、歯茎の腫れ、出血、膿の形成などが現れます。重篤な場合には歯槽骨の破壊が進行し、歯が抜け落ちる可能性もあります。

 

認知症との関係は?

歯周病と認知症の関係についての研究が進行中ですが、一部の研究はこれらの疾患の間に関連がある可能性を示唆しています。具体的には、以下のような点が挙げられています。

  1. 炎症と共通の病理学的特徴: 歯周病と認知症は、炎症が共通の要因として関与している可能性があります。歯周病における炎症性サイトカインや細菌産生物質が、脳に炎症を引き起こす可能性があります。

  2. 免疫応答の影響: 歯周病の炎症が免疫応答を活性化し、体内の炎症性物質が脳に影響を及ぼす可能性が考えられています。

  3. 血流動態の関連: 歯周病が引き起こす炎症が、血流動態を変化させ、脳への血液供給に影響を与える可能性があります。

ただし、歯周病と認知症の関連性についてはまだ十分な研究が進行中であり、明確な因果関係は確立されていません。一方で、良好な口腔衛生が全体的な健康に対して重要であることは確かです。歯周病の予防や治療は、口腔健康の維持だけでなく、全身の健康にも影響を与える可能性があるため、定期的な歯科検診や適切な歯磨き習慣の確立が推奨されています。

2023.07.30

クリーニングとホワイトニングは何が違う?

歯が白くきれいだと、お顔全体の印象がぐっと明るくなります。歯を白くするとき、クリーニングとホワイトニングどちらをすればいいのでしょうか。今回は、その2つの違いについてご案内したいと思います。

◆クリーニングとホワイトニングの違い
クリーニングは、歯石や着色をとって歯本来の白さにします。ホワイトニングは、元々の色よりもさらに白くします。洗濯に例えると、クリーニングは通常の洗濯、ホワイトニングは漂白、といったところです。

クリーニングでは、コーヒーや紅茶などによる着色、タバコのヤニなどをとることができます。ただ、人間の歯は元々真っ白ではなく少し黄色っぽいため、白い歯にするにはホワイトニング必要になります。

ホワイトニングには、歯科医院で行うオフィスホワイトニングと自宅で行うホームホワイトニングがあります。

◆オフィスホワイトニング
1. カウンセリング
まずは、お口の中の状態や現在の歯の色を確認します。

2. 歯の清掃
歯のおそうじをして、お口中をきれいにします。

3. 歯ぐきの保護
ホワイトニング剤が歯ぐきにつかないよう、保護剤をつけ光を当ててかためます。

4. ホワイトニング剤の塗布
ホワイトニングジェルを塗布します。

5. 光を当てる
光を当てることで白くしていきます。

6. ホワイトニング剤の除去
ホワイトニングジェルを除去します。4~6を3回程度繰り返し、徐々に白くしていきます。

7. 保護材の除去
歯ぐきを保護していた保護材を除去します。

8. 仕上げの研磨
ペーストで歯の清掃を行い、ホワイトニング完了です。

◆ホームホワイトニング
1. カウンセリング
まずは、お口の中の状態や現在の歯の色を確認します。

2. 歯の清掃
歯のおそうじをして、お口中をきれいにします。

3. 歯の型どり
マウスピースを作るため、歯全体の型をとります。

4. マウスピース完成
数日後、マウスピースが完成します。ホワイトニングのジェルと一緒にお渡しします。

5. 自宅でホワイトニング
ここからは、自宅で行うステップになります。まずは、歯磨きをしてお口の中をきれいにしてください。

6. ホワイトニングジェルの注入
マウスピースにホワイトニングジェルを入れます。1歯あたり米粒2つ分を目安に注入します。

7. マウスピースの装着
ホワイトニングジェルを入れたマウスピースを歯に装着します。ジェルがあふれた場合は、すぐにふき取ってください。

8. マウスピースをはずす
マウスピースをはずし、歯とマウスピースを歯ブラシで磨いて、ジェルを落とします。5~8の自宅でのステップを数日間、毎日行います。

9. 歯科医院で経過確認
数日後、歯科医院で経過を見ます。

◆ホワイトニングの注意点
ホワイトニングは自由診療です

虫歯や知覚過敏がある場合には、ホワイトニングできないこともあります

詰め物や被せ物は白くならないため、色を合わせる場合は作り直しが必要です

妊娠中の方はホワイトニングできません

◆まとめ
ホワイトニングの効果には個人差があり、何段階も白くなる方もいれば、あまり変わらない方もいます。まずはカウンセリングを受けて、どれくらい白くなることが予想されるか、メリット・デメリットをきちんと確認しておきましょう。

2023.06.20

歯科用CTを撮ってみよう!CTでわかること

歯医者さんでレントゲンを撮ったことはありますか?ほとんどの歯医者さんではレントゲン装置を設置しており、必要に応じて撮影します。レントゲンとは別に、歯科用CTというものがあり、こちらは設置している歯医者さん、していない歯医者さん、どちらもあります。今回は、歯科用CTについてご紹介します。

レントゲンと歯科用CTの違い
2つの違いを簡単に説明すると、レントゲンは平面であるのに対して、CTは立体であることです。
レントゲンはX線を使用して歯や周囲の組織の画像を生成します。一方、歯科用CTは、X線源と検出器が回転しながら複数の断層画像を撮影し、それらの画像をコンピュータで組み合わせて立体的なイメージを作り出します。平面的に写るレントゲンでは、前後に並んでいるものは重なって撮影されます。そのため、色の濃淡で前方にあるのか後方にあるのかを判断します。 一方、CTは立体的に撮影しますので、病巣の位置や骨の内部、歯と顎の関係などすべてが様々な角度から確認することができます。3次元で見ることができるので、歯科医師だけでなく患者さんにも分かりやすいです。
歯科用CTは高い解像度で立体的な画像を提供できます。これにより、骨の詳細や歯の位置関係、根の形態などを正確に評価することができます。一方、レントゲンは2次元の画像を提供しますので、立体的な情報は得られません。
放射線量について、レントゲンは単一の2次元画像を撮影するため、放射線線量は比較的低いです。歯科用CTは、複数の断層画像を撮影するため、レントゲンと比べると放射線線量が多くなりますが、人体に影響がある量ではありません。

CTが役立つ症例

インプラント
インプラント治療では顎の骨に穴をあけてインプラント体を埋め込むため、顎の骨の状態、神経や血管の走っている位置、骨密度などを確認することが必要です。レントゲンでは把握できないところがあるため、インプラント手術前にCTを使用して精密に診断します。インプラントを埋め込む位置を正確に決めることができ、より安全に手術を行うことができます。 また、術前診断だけではなく、インプラントを埋入した後も必要に応じてCT撮影を行います。埋め込まれたインプラントの位置や状態、骨の状態などを確認します。

親知らずの抜歯
下顎の親知らずの近くには、下顎管という神経が走っています。抜歯するときには、この下顎管を傷つけないようにします。親知らずと下顎管との位置関係はレントゲンで確認することもできますが、把握できない部分もあります。例えば、歯の根の先と下顎管が重なっている場合、接しているのか、または前後で離れているかは正確にはわかりません。CTならさまざまな角度から確認できるので、より安全に抜歯を行うことができます。

根尖病巣の確認
虫歯が進行すると、歯の根の先端に膿の袋ができることがあります。この膿の状態をCTで確認することで、より正確に根の治療を行うことができます。

まとめ

歯科用CTは上記の症例以外にもさまざまな場面で活躍しています。3次元の画像は非常に見やすく、治療の説明もより分かりやすくなります。特にインプラントや親知らずの抜歯を考えている方は、CT撮影を受けてみてください。

2023.06.11

歯が痛む原因とは?

歯が痛くなると、虫歯かな?と不安になりますよね。もちろん虫歯で原因で歯が痛むことが多いですが、それ以外の要因も考えられます。今回は、歯が痛む原因をご紹介します。

  1. 虫歯
    歯が痛む原因として最も多いのは虫歯で、痛みが発生している段階では、進行した虫歯である可能性があります。虫歯の初期では、冷たいものがしみたりし、進行すると甘いものや温かいものがしみる、噛むと痛い、などの症状が出てきます。何もしなくてもズキズキ痛い場合は、虫歯が歯の神経まで進行していて、神経が刺激されて痛みを引き起こしていることが考えられます。虫歯が神経まで進行すると、根管治療という歯の神経を除去する治療が必要になります。通院回数が数回かかり、それに伴って費用もかかるので、大きな虫歯になる前に歯医者さんを受診することをお勧めします。

  2. 歯周病
    歯周病は、歯周病菌により歯茎の炎症や歯を支ええる骨を溶かす病気です。歯周病の初期段階では、歯ぐきが腫れたり出血したりすることがあります。進行すると、歯ぐきが後退し、歯がぐらついたり痛んだりすることがあります。

  3. 歯ぎしりなど歯の摩耗
    歯ぎしりや歯磨きの過剰な力、不正咬合などによって歯が過剰に摩耗すると、歯の神経が露出し、痛みを感じることがあります。

歯の痛みは何かしら異常のサインです。激しい痛みになる前に、歯医者さんに相談しましょう。

TOPへ
tel.048-827-0001 24時間Web予約